長雨が続き、まだ蒸し暑さが残る日々です。
長い夏休み明けは体も心もまだ本調子ではない生徒さんもいるかもしれませんが、
徐々にふだんのペースに戻っていってくれたらと願っています。
今回は、「生徒さんに合った教本を使う大切さ」について少しお伝えしたいと思います。
ピアノのレッスンに使う教材は、昔から長く使われている教本から、
昨今はかなり広がって多くの新しい教材が市販されています。
それぞれの教材は、目的や目指すことが違うので、指導者はしっかりと教材の趣旨について理解し、
「生徒さんが今、身につけておかなければならないこと」を見逃すことなく適切に教本を選択することが重要です。
特に、小さな頃からピアノを習う方については、個人差も大きいですし、
体や心の成長段階や、いわゆる臨界期をしっかり意識して指導の方向性を考えることが大切です。
また、「生徒さんに合った教本」というのは、
そのお子さんの性格や個性に合っていることだけでなく、実力に合っていることも大切です。
あまりにも背伸びしすぎていると、ただただ辛いだけで本当にピアノが嫌いになってしまう場合もあります。
少し頑張れば弾ける、徐々に実力がついていく、というのが結局一番長続きするように思います。
さらに、
同じようなタイプの曲しか習ってきていない生徒さんは、音楽性の幅が狭まってしまいます。
感受性のある小さな頃からバランスよくいろいろなタイプ、いろいろな時代の曲に触れることで、
引き出しが増え、曲に対する理解がより深まっていくのです。
保護者の方は焦りすぎることなく、
お子さんが少しづつでも確実に美しく弾けるようになっているかを気を付けて見守ってくださいね。