9月に入ってもまだ暑い日が続いていますね。体調を整えて秋に向かいたいものです。
今回は読譜力の大切さについて。
このところ、ピアノを続けていく上で必要なことをずっと書いているのですが、
譜面を正確に速く読める力というのは本当に大切なことです。
それだけでなく耳が良いことも重要な要素ですが、これについてはまた別に書きたいと思います。
はるか昔の話ですが、まだ独身で若かりしお姉さん先生だった頃(そんな時もありましたねぇ...笑)
4歳で初めてピアノを習う女の子を教え始めました。
良く言えば、最初からお母様がとても前のめりな感じで熱心なご様子でした。
レッスン中、生徒さんになにか聞くとご本人ではなくお母様が返事をされるので、
まだ若く指導経験が多くなかった未熟な私でも、
「う~ん、これは困ったなぁ~。果たして上手くレッスンが機能するのか・・・」
と内心とても危惧していました。
それでも、熱心にレッスンを聞いてくださっているご様子ですし、
そのこと自体はとてもありがたいことですから、
若かった私は何も言えずにそのままレッスンは進んでいきました。
あまりご本人は楽しそうに弾いていないことも、進みが遅いこともとても気にはなっていました。
でも、宿題に出した曲は弾いてきてはいました。
ところが、小2頃、レッスンで初めて見る曲の音をいくつか読んでみてといったら、
実は全く自分では音が読めていなかったことが発覚しました!
お母様が先回りして音を全部読んで教えていたんですね。ご本人が読む前に。
事の重大さをお母様にご説明しましたが、まだ未熟だった私の言葉は十分に届きませんでした。
その後数年して、結局ピアノをお辞めになりました。
自分の力で譜面が読めないと続けていくことはできないですからね。
音符というのは、文字と同じ。音楽の言葉です。
楽譜を読めるようにすることは、ピアノレッスンの根幹に関わることです。
自分の力で早く正確に読めるようにするには、
まどろっこしくても自分の力で音符を読む練習をすることです。
積み重なった頑丈な力をつければあとで揺らぐことはありません。
若かりし私の失敗談、参考になさってくださいね。